京都大学とNEDOが開発した、変速ショックがまったくないトランスミッション
自動車の常識を変えるかもしれない、この歯車の動きを動画で見てみよう
実験車の走行距離が10%UP!
この比円形歯車は、2段変速に使用するもので、通常のギヤとあわせて使用される
とても不可思議な動きをする歯車を使った、ミッションの動きは下の通り
- 1速のギヤから、動画の比円形歯車に切り替え(非円形歯車は最初1速ギヤと同じ変速比)
- 非円形歯車を180度回転させ、2速と同じ変速比に変化させる(ここが変速ショックが発生しない理由)
- 非円形歯車から、2速ギヤに切り替え
- 変速完了
ギヤは入力側を大きく、駆動側を小さいギヤにするほど、出力するときの回転数を大きくできるから、その間変化する回転を180度、非円形歯車に担当してもらおうということなんだね
変速機の回転数 左:非円形変速機 右:従来の変速機
これを使うと、変速機への入力を一度切って、出力する駆動輪側の回転数とあわせる必要がなくなるから、動きがスムーズになって、ロスが大きいため、現在基本的に変速機が使用されていない電気自動車のエネルギー効率をあげることができるみたい
非円形歯車変速機を使用した速度変化(黒は従来型)
実際、実験車両を使った車の速度変化を見ても、かなりスムーズ
今のところ、2段変速だけど、変速の間の回転角度を90度(2段変速の半分)にすれば、4段変速も可能になるらしい
でも、この技術、自動車の中でも精密と言われる変速機が、更に複雑になってしまう、という部分もあるんじゃないかな
変速タイミングを180度や90度で、確実に制御しなければならないのは、言うよりも難しいと思う
入力軸の回転数が低くても力があるモーターの場合は使いやすそうだけど、ある程度高い回転数の方が効率がいいエンジンに使用することを考える(開発した方が想定されているかはわかりません)と、変速にかけられる時間も制限されることになる
4段以上の変速の場合でも、非円形歯車の枚数を増やせば、変速時間を稼ぐこともできそうだけど、ミッション自体の大きさ、複雑さはさらに上がるから、そちらも厳しそう・・・
でも、頑張って欲しい!
難しいと思われていた変速ショックをなくし、実際に走らせることができたのだから、問題解決も無理ではないはず
自動車用ミッションも今は変化の時期で、メーカーごとに力を入れているものが違う
いつかこの変速機が常識になる可能性だって、充分にあるんじゃないかな