3レースが終了し優勝を独占しているメルセデスAMGが今年採用した、革新的ターボチャージャーの解説動画!
世界を変えるひらめきって、驚くほど単純(笑)
タービンとコンプレッサーはセット、なぜ疑わなかったんだろう…(笑)
動画を見ての感想は、「あ、そっか!」
あまりにもシンプルな考えすぎて笑うしかない(笑)
▲通常のターボチャージャー
現在一般に使われているターボも、排気がタービンを回すことで、シャフトのもう一方にあるコンプレッサーが空気を圧縮するところは、メルセデスと変わらない
排気の熱が隣あったコンプレッサー側にも伝わり、エンジンに送る空気まで熱くなってしまうのは、仕方ないとされてきた
けれどメルセデスの新ターボチャージャーは、「タービンが熱くなるならコンプレッサーから離してしまえばいいんじゃない?」という考えのもと、V型エンジンの間にシャフトを通し、前後に分離
結果、熱を抑えることができた空気は、小型化されたインタークーラー(走行風で空気を冷却する装置)を速く通過
ターボチャージャーから空気がエンジンに送られるまでの時間(ターボラグ)を小さくし、アクセルを踏み込むと瞬時に反応するマシンに仕上げることができたらしい
しかもメリットはそれだけではなく、空気の熱が少ないため、インタークーラーを小型にできるので、サイドポッド(F1マシン両脇の空気取り入れ口)も小さく、空力パフォーマンスもアップ
さらにコンプレッサーがマシン前方に移動することで、重量配分も改善し運動性能アップ、といいことだらけ
ライバルチームもこれに続きたいけれど、今年のエンジンは2月の登録を最後に開発が禁止、歯がゆい思いを1年しなければならないことが決定している…
今週行われたバーレーングランプリの決勝で、メルセデスと昨年優勝チーム レッドブルとの差は、1周1分40秒弱のサーキットのベストラップで、2.1秒と圧倒的
(57周の決勝全体では24秒差)
世界の技術の最先端が集まるトップレースで、こんなに有利になるアイディアが、まさか「熱いなら離せばいいんじゃない?」だとは…
F1界だけではなく世界の歴史に残してもいい、「常識」の負けなんじゃないかな
【ちなみに…】
メルセデスは今シーズン開幕前、マシンのパワートレインを解説する動画を公開していたけれど、その動画ではごくふつうのターボの解説がされていた…(笑)
解説記事(メルセデスAMGは記事下部):2014年 F1をレッドブルとメルセデスが動画解説!