世界共通の関心事となった自動運転車
その開発に取り組んでいる、ボルボ、Googleがプロジェクトの進捗を公開!
世界初はこの2社のどちらかになる?
規模と長年のデータが強みのボルボ
▲自動運転車 ヨーテボリ市 走行イメージ
ボルボ 自動運転車実証実験 「Drive Me」概要・今後の予定
- 4月29日、ボルボは自動運転車実証実験プロジェクト「Drive Me」の開始を発表
- 1号車が、スウェーデン ヨーテボリ市の公道で試験走行を開始
- Drive Meプロジェクトには、ボルボ、スウェーデン政府、ヨーテボリ市、ボルボの顧客が参加
- 顧客が乗る自動運転車が、ヨーテボリ市の選定された公道を毎日約50km走行
- 2017年には、自動運転車の数を100台規模まで増やす
- プロジェクトでは、自動運転車が交通環境に与える影響も評価
- 1号車は、車線追従、速度制御、合流交通への対応が可能
- 機能はプロジェクトの進行にあわせ追加され、全ての公道に対応する自動運転機能の実現を目標にする
以前の発表では、2014年はユーザー調査、となっていたので、実際の走行はまだ先だと思っていたけれど、同時に進めていくんだね
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こうやってすぐさま走行テストに入れるのは、長年蓄積してきた世界でも有数の交通データをもつボルボだからかな
自動車メーカーで走行データの蓄積は一般的なので、ボルボが他社より格段にデータが多いということはないと思うけれど、熱心な分析でデータを活かしてきたボルボだからこそできることもありそう
ボルボ安全データの一端:子育てする人にボルボのチャイルドマニュアルを
それに加え、国からユーザーまで協力体制ができているのも、スウェーデン有数の企業グループであるボルボの強み
これから法律などさまざまな問題が出ると思われる自動運転車に、国をあげて同じ向きで取り組めるのはかなりプラスになると思う
その状況が、喉から手が出るほどうらやましく思う企業は多いんじゃないかな
データと分析ならGoogleが一番!? しかし懸念も
Google 自動運転車プロジェクト 概要
- 2009年から「交通事故による死者をゼロ」を目指し、自動運転車の開発を開始
- 2012年からはカリフォルニア州の公道で試験走行を行っている
- 無事故走行距離は113万km以上
- テスト走行で収集した数千の状況を分析した結果、すべてコンピュータで予測可能なことが分かった
- 交通指導員の止まれや、自転車の右折・左折のジェスチャーなども検出
- 最新のソフトウェアでは、数百の物体を同時に認識、対応可能
- Googleは、人間と違い気が散ることがないのがメリットとしている
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自動運転車に、世界でもかなり早く取り組んでいたGoogle
IT企業がクルマ?という疑問を吹き飛ばすように公開した映像は詳細で、これを今出すことができるのは、もしかすると世界中でもGoogleだけかもしれない
現在展開されているサービスとも似た部分があるジェスチャーや行動の分析は、同じくGoogleが集めている3Dマップデータとあわせることで、既にかなりの状況に対応可能らしい
しかしGoogleが、自動運転技術のトップを走るか?と考えると少し気になる点も
113万km以上の走行のすべては、Google本社があるカリフォルニア州マウンテンビューで行われているため、今後広い地域で走行するためには、もっと様々な実験が必要らしい
だけど自動運転車については、「ドライバーの補助」との考えと、「人によるイレギュラーのない最高の安全技術」との考えで、現在意見がわかれているため、許可を広げるのには難しいこともありそう
そうなると、プロジェクトの進行に遅れが出てしまう可能性もあるんじゃないかな
ボルボの強みが、Googleの弱みとも言えそうな気がする
プロジェクトの状況が公開されたことで、いろいろ考えることができるようになった自動運転車
ボルボやGoogleと同じく開発を進めている日産の目標では、市販化は東京オリンピック開催と同じ2020年で、あとたった6年
これから他企業も含め、自動運転技術の公開は活発になってくると思う
今回の2社による発表は、その先駆けといえそう
はたしてどこが、「世界初の自動運転車」を実現することになるんだろう