国内乗用車メーカー8社が、エンジンの基礎研究で協力する組合「AICE」を設立
日本の技術力を世界にみせることができるか
国をあげた開発でヨーロッパメーカーに挑む
AICEサイト:AICE - 自動車用内燃機関技術研究組合
自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)発足 概要
- 組合員は、日本国内乗用車メーカー8社と日本自動車研究所
- AICEの正式名は「The Research Association of Automotive Internal Combustion Engines」
- 業界一丸となって燃費性能向上、排ガス低減を推進する基礎研究を行う
- 大学などの研究機関と連携、エンジン燃焼や排気ガス浄化に関する技術の基礎研究および応用研究を進める
- メーカー各社は研究成果を使い、自社エンジンの開発スピードを速める
- 初年度はディーゼルエンジンの排ガス後処理研究を行う
- 内燃機関開発目標:熱効率50%
- 短期目標:ガソリンエンジン二酸化炭素排出量30%削減
- AICEの研究で得られた特許は発案者に帰属、企業がそれを利用する
- 経済産業省も活動を支援、初年度10億円の事業費の半額を国が補助
参加メーカー
- トヨタ自動車
- 日産自動車
- 本田技術研究所
- スズキ
- ダイハツ工業
- 富士重工業
- マツダ
- 三菱自動車工業
- 一般財団法人日本自動車研究所
これは大きな動きだね!
自動車メーカーにとって、世界各国の厳しい排ガス基準にあわせたエンジンの開発は急務
けれど1メーカーずつでは、どんどん加速していくその流れに乗り続けるのは難しい
しかし、国内メーカーと国、そして大学など研究機関のALL JAPAN体制で挑めば、その流れを越え、先の新技術にたどりつくのも不可能ではないかもしれない
今回の設立に至った経緯として、欧州メーカーで同様の取り組みがあり、日本が出遅れていたということがあるらしい
それでもなんとか戦ってきた日本メーカーだけど、それも今後更に厳しくなる
それが、この組合で行われる研究によっては、主導権を握る技術の開発もありえるかも
AICEの発表によると、現在各メーカーが持っている技術の公開は行われないとのことで、メーカーが持つ課題の解決には、多少のずれがでる可能性も
けれど、この組合から発信されるデータを、それぞれのメーカーが発見するには、時間もコストもかかるし、そもそも多方面からの刺激がない状態ではできないかもしれない
そう考えると、AICEにかかる日本自動車メーカー発展への期待は、途方もなく大きいものになりそう
AICEの目標を見ると、現在は40%にも満たないエンジンの熱効率を50%にあげることや、二酸化炭素排出量の30%削減など、夢のような数字が並んでいる
けれど、ここまでそれぞれのメーカーが取り組んできた問題が、様々な知見を持つ人達の中に置かれることで一つずつ解決していけば、こういった数字も不可能ではなさそう
エンジン自体の開発は各メーカーで行われるし、データをそれぞれがどのように解釈するのかも楽しみ
当然新しい技術が開発されれば、他国のメーカーも対抗する技術を考えると思うし、この組合設立が、自動車業界全体の進化を加速させることにもなりそう